口臭・歯科衛生士による舌清掃指導について
投稿日:2020年10月6日
カテゴリ:スタッフブログ
口臭の原因
ー真性口臭症
生理的口臭とは
起床時や空腹時、唾液分泌の低下などにより感じるものです。加齢やストレス、緊張など唾液分泌が低下すると自浄作用が働きにくく、口臭が強くなります。
病的口臭とは
舌苔、プラーク、歯石、齲蝕、歯周病、舌炎などの口腔細菌によるものです。また全身疾患とも関連しているため口臭の原因となります。
その他、食べ物由来する口臭も考えられます。
歯科医院でクリーニングやメンテナンス時に口臭が気になるという方の多くは舌苔の付着が見られます。舌苔は舌の上に白、黄色、茶色のような色がみられ、範囲が広かったり、厚さがあったりと様々口臭の原因の1つとして考えられます。
歯を磨くのも大切になりますが、舌の清掃も重要となります。
舌清掃法について
舌苔を除去するためには、舌ブラシを使用します。舌ブラシには歯ブラシと同様、いろんな種類があります。
①ねじれブラシタイプ
傷つけにくく、舌苔をとりやすい。
②ブラシタイプ
傷つけにくく、舌苔はややとりやすい。
③舌ベラタイプ
傷つけやすい、舌苔がとりにくい。
④ガーゼタイプ
傷つけにくく、舌苔がとりにくい。
舌ブラシの選択では舌を傷つけない、除去能力があるものがいいそうです。4つのタイプの例として、おすすめなのは『ねじれタイプ舌ブラシ』舌を傷つけにくく、舌苔の除去にも優れているため清掃効果として得られやすいです。
歯科衛生士指導として、舌清掃指導、唾液線マッサージ、生活習慣指導、TBIが重要です。
舌清掃指導
- 1.手鏡で状況の確認
- 2.範囲、厚さ、色を見てもらう
- 3.三分割にし、奥から手前で判断する奥の方が舌苔の付着は多い
- 4.舌ブラシの持ち方
人指し指でネックを固定し、力加減のコントロールを行う - 5.舌ブラシは奥から手前に1センチずつゆっくり動かす
この時、真ん中半分に分けて清掃します。ゆっくり奥から手前半分までを5回繰り返します。ブラシについた舌苔は洗浄し、口腔も濯ぎます。喉うがいをすると奥まで綺麗にできるため効果的です。
【注意すること】
- 奥から手前に一直線に舌ブラシを動かすと範囲が広がり、綺麗なところまでつくため注意が必要です。
- 舌の真ん中の正中溝は舌ブラシを斜め横から入れる。
- 舌苔がなくなれば終了。
- 1日1回、起床時、朝食前がおすすめ。
歯科衛生士はクリーニングやメンテナンス時に確認し、まずは患者様に理解をしてもらいます。そして、説明や原因など、その人の特徴を伝え、舌清掃をするのが重要です。
また、唾液分泌の低下や口腔乾燥を認める場合には唾液線マッサージなどを患者様と一緒に行う必要もあります。
口臭は口腔内や全身疾患や生理的なものまで様々なものと関連しているため、患者様のデータや情報収集が必要です。時に生活習慣の見合わせやセルフケアなどの指導にも携わる必要があると考えます。
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