日本歯周病学会春季学術大会(WEB)に参加
投稿日:2020年8月24日
カテゴリ:スタッフブログ
今回の歯周病学会学術大会の発表の中でレーザーに関する演題があり、それに関して大変勉強になりましたので、お話しさせて頂きたいと思います。
歯科の分野で使用するレーザーは、種類によって色素に反応したり、タンパク質を凝固させたりと色々な機能を持っています。私たちは、そのレーザーを使用する事により、その状況・必要性に応じて、むし歯の治療に使われるだけではなく、歯肉のメラニン色素を蒸散させて目立たなくさせたり、知覚過敏に使用したり、できる限り出血させる事なく粘膜を切開できるなど、レーザーを様々な治療に役立てています。
しかしながら、今までのレーザー照射器は、非常に高額な上、照射できるのは1台で1種類のレーザーだけという欠点がありました。つまりある機器は赤色のレーザーは照射できるが、緑色のレーザーは照射できない。という物理的な制限がありました。
ところが最近、1台のレーザー照射器から、特定の操作をする事によってEr:Yagレーザー、Nd:Yagレーザーといった特性の異なる2種類のレーザーを照射できる装置も開発され、かつ薬事認可されたたというお話がありました。つまり1台で、むし歯の治療のみならず、歯石の除去、歯周病の治療等に使用できるというのです。
また、演者の先生のお話では、非直接接触しないでも治療ができる事、手の届かない部位においても治療ができる可能性が広がった事、インプラント体にレーザー処理をする事によって、親水性が向上する事、いびきの治療にも応用できる事、さらには口腔周囲のシワの改善に役立つ事などの5つの内容の発表がありました。
レーザー治療には、虫歯の治療に対して、顕微鏡レベルで見ると実際には周囲にクラックが入る為、切削機で一層表面処理した方が良い場合があるなど、改良・議論する余地がまだまだありますが、今後歯科治療の手法の安全性が増し、来院される患者さんの安心が増す事が予想される為、今後の発展が楽しみと言える内容の発表でした。
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